ひらの けん
平野 謙 弁護士
平野法律事務所
所在地:兵庫県 神戸市中央区多聞通2-5-16 三江ビル2階
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交通事故慰謝料・損害賠償
自転車事故での過失割合と物損処理について相談
【相談の背景】先日、自転車で走行中に後ろから車に跳ねられました。自分にも落ち度があり、過失割合や人身か物損で処理した方がいいかなどを教えて頂きたいです。狭めの道で、車道を走っていて横の道に入ろうと車から見て若干斜めになった時に追い越そうとした車に跳ねられました。跳ねられたあと2回転し、救急車に運ばれました。過呼吸にはなりましたが、打撲でした。人身で処理する場合は、相手が過失運転致傷罪。私にも非があるため、私は道路交通法違反だそうです。【質問1】物損で処理した場合は、自転車に乗れなくなる精神的苦痛と通院した日数の慰謝料や治療費は受け取れないのでしょうか?また、過失割合はどれくらいでしょうか?【質問2】私は、自転車のライトが着いていて車道を走行していましたが道路交通法違反の場合は、どのような罰則があるのでしょうか?また、人身の場合は人身で届けを出した後に取り下げる示談金がいただけるのでしょうか?
回答
ご質問1についてですが、物損で処理した場合に慰謝料や治療費を請求できるか、とのことですが、「物損で処理する」という意味が、傷害を負ったことを内容とする診断書を警察に提出せずに、刑事・行政手続上、物件事故扱いとして処理する、という意味であれば、相手方が任意保険に加入している場合には、その任意保険会社に治療費や慰謝料を請求することは可能です。交通事故の相手方から、民事上の賠償請求には任意保険できちんと対応するから刑事手続きにはしないで欲しいと頼まれることはよくあり、それに応じる被害者も事実上多いと思います。しかし、このような処理は感心できません。警察に診断書を提出せずに物件事故扱いにした場合、警察が実況見分をすることはないため、実況見分調書が作成されません(簡単な「物件事故報告書」のみで済まされてしまいます。)。そうなると、後で事故状況を争われた場合に、事故の客観的状況を示した証拠がない、という事態になってしまいます。また、後で任意保険で対応するといっても、任意保険会社から非常に低い賠償額の提示しかなく、さらには、被害者側に大きな過失割合を要求して来ることはよくあります。刑事事件にしていないのですから、加害者側には示談をしようという動機付けがなく、事故から時間が経過すればするほど、できるだけ賠償額を低く抑えたいという対応に変わることはよくあることです。診断書を警察に提出して人身事故にするということは、事後の示談交渉を有利に進めるというメリットがあるのです。次に、過失割合については、実務上は、別冊判例タイムズ№38の事故状況図によって決められます。ご質問の事故の場合、事故状況図としては、307図が当てはまると思います。基本の過失割合は、自転車20、自動車80です(事故に応じた修正要素を加味して判断されます。)。ご質問2についてですが、交通事故の被害者に対して、あなたも道交法違反を問われる恐れがあるから被害届や診断書を提出するな、と言うのは警察の常套句です(事故処理が面倒だからです。)。あまり気にする必要はないでしょう。私は、ご質問の事故と同様の事故の被害者の代理人をしていますが、被害者は道交法違反を問われていません。人身を取下げたら示談金をもらえるのか、とのことですが、誤解があるように思います。
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