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<18歳選挙権>学外の政治活動「SNSが制限される可能性も」高校生や弁護士が議論
2016年06月05日 09時59分

7月の参院選から、18歳、19歳の若者も投票できる新しい制度がはじまる。若者の政治参加が進むことが期待される一方、高校生の学外での政治活動を規制する動きもある。こうした中、東京弁護士会は6月1日、高校生の政治参加について考えるシンポジウムを開催し、現役の高校生や学校教員、弁護士らが意見を交わした。

これまで政府は、高校生の政治活動について「学校内で禁止するのは当然」「学校外でも制限、禁止することが必要」という考え方(1969年の文部省通達)を示していたが、選挙年齢引き下げの法改正を受けて、「(高校生が)国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される」という趣旨の新しい通知を昨年秋に出した。

しかし、新たな通知でも、文科省は高校生の政治活動について一定の制限を設ける必要があるとの考えを示した。「学校内は禁止することが必要」であり、学外の活動でも「制限又は禁止することを含め、適切に指導を行うことが求められる」としている。文科省のQ&Aによると、制限の内容として、学外での政治活動を行う場合、学校への届け出や許可が必要になるといったことがあげられている。

東京弁護士会の仲里歌織弁護士は、届出制や許可制について、「生徒が、(自身の)思想について、学校に表明せざるをえなくなる。憲法上の人権である思想良心の自由を侵害するものとして許されない」と批判。また、仲里弁護士は、政治活動の定義が不明確である点も問題だと述べた。「たとえば、『給付型奨学金の制度をつくって』とSNSで発信することまで含まれてしまう可能性がある」と危機感を露わにした。

都内の高校に通う丸山遥奈さん(3年)も、「(届出制は)自分がどの政党を支持しているか、どのデモに行くのかを先生たちに知られることになる。プライバシーの点からも問題ではないか」と述べた。埼玉県の高校に通う田上凪さん(3年)は、「選挙権が18歳に引き下げられて、高校生が政治への意見を持つことが必要とされる状況になっている。それなのに、(許可が認められなければ)意見を発信することができないというのはおかしい」と文科省の方針に疑問を示した。

(弁護士ドットコムニュース)

7月の参院選から、18歳、19歳の若者も投票できる新しい制度がはじまる。若者の政治参加が進むことが期待される一方、高校生の学外での政治活動を規制する動きもある。こうした中、東京弁護士会は6月1日、高校生の政治参加について考えるシンポジウムを開催し、現役の高校生や学校教員、弁護士らが意見を交わした。

これまで政府は、高校生の政治活動について「学校内で禁止するのは当然」「学校外でも制限、禁止することが必要」という考え方(1969年の文部省通達)を示していたが、選挙年齢引き下げの法改正を受けて、「(高校生が)国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される」という趣旨の新しい通知を昨年秋に出した。

しかし、新たな通知でも、文科省は高校生の政治活動について一定の制限を設ける必要があるとの考えを示した。「学校内は禁止することが必要」であり、学外の活動でも「制限又は禁止することを含め、適切に指導を行うことが求められる」としている。文科省のQ&Aによると、制限の内容として、学外での政治活動を行う場合、学校への届け出や許可が必要になるといったことがあげられている。

東京弁護士会の仲里歌織弁護士は、届出制や許可制について、「生徒が、(自身の)思想について、学校に表明せざるをえなくなる。憲法上の人権である思想良心の自由を侵害するものとして許されない」と批判。また、仲里弁護士は、政治活動の定義が不明確である点も問題だと述べた。「たとえば、『給付型奨学金の制度をつくって』とSNSで発信することまで含まれてしまう可能性がある」と危機感を露わにした。

都内の高校に通う丸山遥奈さん(3年)も、「(届出制は)自分がどの政党を支持しているか、どのデモに行くのかを先生たちに知られることになる。プライバシーの点からも問題ではないか」と述べた。埼玉県の高校に通う田上凪さん(3年)は、「選挙権が18歳に引き下げられて、高校生が政治への意見を持つことが必要とされる状況になっている。それなのに、(許可が認められなければ)意見を発信することができないというのはおかしい」と文科省の方針に疑問を示した。

(弁護士ドットコムニュース)

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