この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
酒の席での口論から、相手を十数回殴打するなどの暴行に発展し、全治不詳の傷害を負わせた事案。現行犯で逮捕され、警察署に勾留されておりました。
解決への流れ
ご相談者様は会社に勤務されており、長期間勾留されれば、解雇のおそれがありました。また、執行猶予中の犯行であったため、起訴されてしまうと、長期間の懲役に服さなければならないという状況でした。もしそのようなことになれば、幼いお子さんを含むご家族の方が生活に困ることは必至です。そこで、身柄を早期に解放することと、不起訴処分を獲得することを目指して活動しました。具体的な活動としては、まず、依頼者の家族に連絡を取って身元引受書を書いていただきました。また、ご相談者様に書いていただいた反省文を被害者の方に渡したうえで、示談のお話をさせていただき、示談書と嘆願書(刑事事件を望まないという内容のもの)を作成していただきました。そして、不起訴意見書を作成のうえ、それらの書面一式を検察官に提出し、不起訴にすべきであると検察官を説得しました。その結果、ご相談者様は、不起訴となり、無事会社に復帰することができました。
ご相談者様はこれまで暴行事件を起こしたことはなく、今回の事件を真剣に反省していたため、仕事を続けて被害者に治療費と慰謝料を支払っていき、刑務所ではなく社会内における更生を目指していくことが適切であると考えられました。そこで、そのことを被害者の方にお話しさせていただいたところ、被害者の方にもご理解をいただけ、ご相談者様の今後の社会内での更生を実現するために、示談書のみならず、刑事事件を望まない旨の嘆願書まで書いていただけたことは大変嬉しかったです。そのうえで、被害者の方のお気持ちを含め、検察官を粘り強く説得したことが不起訴となった要因だと思います。