犯罪・刑事事件の解決事例
#給料・残業代請求

会社から労働者に対する損害賠償請求に対して,未払残業代をもって相殺した事例

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中川 匡亮 弁護士が解決
所属事務所名古屋第一法律事務所
所在地愛知県 名古屋市中区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

依頼者様が会社に在職中に行った不祥事について,会社側から約500万円の損害賠償請求がなされたということで相談に見えた事案です。

解決への流れ

会社の請求する500万円のうち,全額を労働者である依頼者様が負担することは不当であることを指摘しつつ,逆に,依頼者様が在職中に未払になっていた残業代を会社に請求しました。その後,会社側(会社側にも弁護士が付きました。)と交渉を重ね,お互いに金銭の請求をしないという示談が成立しました。つまり,会社の依頼者に対する損害賠償請求と,依頼者の会社に対する残業代請求を互いに相殺し,互いに0にするという内容の示談が成立しました。

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中川 匡亮 弁護士からのコメント

本件のように,会社が労働者に対して,損害賠償を行うケースもよく見られます。判例上,労働者への損害賠償が認められるためには,労働者の重大な過失があることが要求されており,また,損害の全額を必ずしも請求できるわけではないとされています。本件では,そのような判例法理を利用して,依頼者様の賠償額をできるだけ少なくするように努力しました。また,この会社の賃金体系は,実質的には歩合給でしたが,その歩合給の一部が基本給とされ,その残りが固定残業手当として支給されていました。このような,「歩合給の一部=残業代」は原則として有効な残業代の支払いとは認められません。そこで,労働者側から逆に会社に対して残業代の請求を起こし,結果として,会社からの残業代請求と,依頼者様からの残業代請求を相殺し,お互いに0円で解決する形となりました。会社側から損害賠償請求をされたという方は,泣き寝入りせず,ぜひ弁護士にご相談下さい。また,本件と同じようなトラックドライバーに対する未払残業代のケースも非常に多いですので,お心当たりの方はお気軽にご相談下さい。