この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談者の自動車に追突した相手車の運転手は、法定速度よりも低速で走行していたと述べていました。しかし、相談者の自動車に設置されているドライブレコーダーの映像からすると、相手車の速度は法定速度を明らかに超えていると思われるので、相手車の速度を明らかにして示談して欲しいとの依頼がありました。
解決への流れ
相談者の自動車後部に設置されているドライブレコーダーには追突直前の相手車の映像が記録されており、ドラレコ解析会社の映像解析により追突直前の相手車の速度がわかりました。問題は、交差点に進入した相談者の自動車を見て、ブレーキを踏もうとしたときの相手車の速度です。この点について、保険会社を介してある鑑定会社に物理(力学)鑑定を委託したら、情報が少なくて鑑定できないとの回答でした。鑑定会社ができないということなので、私の方で物理(力学)的考察を行い、相手車が時速約30キロメートルの速度超過をしていたことを指摘したところ、相手方も速度超過をしていたことを認め、示談が成立しました。
本件では、①ドライブレコーダーの映像解析により追突直前の相手車の速度を解明すること、②相手車の運転手が交差点に進入した依頼者の自動車を見てブレーキを踏む直前の相手車の速度を物理(力学)的に考察することが問題になりました。①については、信頼できるドラレコ解析会社に委託できました。しかし、②については、委託した鑑定会社で鑑定できませんでした。交通事故を処理するうえで、優秀な解析会社や鑑定会社を見つけることができるかがポイントになることがあります。鑑定会社が鑑定できないときには、弁護士が自ら物理(力学)的考察をできるかがポイントになることもあります。