犯罪・刑事事件の解決事例
#不当解雇

60歳定年後の再雇用拒否を争い、交渉で月給4か月分弱の上乗せ退職金を獲得

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影山 博英 弁護士が解決
所属事務所影山法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

60代 男性

相談前の状況

相談者は外資系企業で60歳定年を迎え、再雇用を拒絶されて退職済みでした。会社側の言い分は、会社が提示した再雇用の条件を本人が拒絶したのであって、会社が再雇用を拒否したのではない、というものでした。しかし、相談者によれば、定年の半年以上前に、それまで経験したことのない海外勤務を打診されて断ったことがあるだけであって、定年を迎えるにあたって再雇用の条件提示を受けた事実はありませんでした。

解決への流れ

当該会社の就業規則には、定年後、原則として65歳まで継続雇用する旨の規定が整備されていましたので、この規定に基づいて再雇用の適当な条件を提示する義務の不履行があると主張して損害賠償を請求する内容証明郵便を送付しました。その後、会社側の代理人と協議を重ね、会社側から提示された退職金の追加支給額をさらに若干増額させたうえで示談しました。

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影山 博英 弁護士からのコメント

今日、高年齢者雇用安定法は使用者に65歳までの継続雇用を義務付けていますので、60歳定年時に合理的な理由なく再雇用を拒絶するのは違法です。ただし、再雇用後の労働条件が定年までと同一であることは要求されませんので、再雇用されていたとすればいくらの賃金を得られていたのか、当然には言うことができません。そのため、これまでの裁判例では、継続雇用拒否に対する損害賠償金は、額が低く抑えられがちでした。しかし、高年齢者の雇用の安定については、今後ますます社会的要請が強まり、そのことに伴って裁判所が比較的高額な損害額を認める事例も増えてくるのではないかと考えられます。不当に継続雇用を拒絶された方は、安易に泣き寝入りせず、専門家に相談されることをお勧めします。