この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
依頼者の女性には、半年間付き合いを継続し婚約していた男性がいました。しかし、結婚直前になり、男性が婚約破棄。女性は突然のことに精神不安定な状態になり、日常生活に支障をきたした上、仕事を辞めることとなりました。女性は、一方的に婚約を破棄した男性に慰謝料を請求したいと考え、当事務所にご依頼されました。
解決への流れ
ご依頼を受けた後、当事務所の弁護士が女性に対し丁寧なヒアリングを行いました。交際を開始してから婚約破棄に至るまでの経緯を詳細にお聞きし、二人の間で生じた過去の出来事を説明してもらいました。ご依頼者の女性は、相談に来られた当初は精神的に不安定な状態で、大分取り乱していた様子でしたが、お話を聞き事実関係を整理していくうちに、落ち着きを取り戻されました。その後、聴取した事実に基づき、裁判例等に照らし法的検討を加えた上、相手方男性に対し慰謝料請求を行いました。相手方男性は、最初は婚姻の成立や婚約破棄に至る出来事など、自らに不利になる事実を全て否定されており、自らも弁護士を立てて争う姿勢を見せていました。しかし、弁護士による独自の調査や本人への事実確認を行っているうちに、相手方男性に女性関係があったことが発覚しました。相手方男性も自らが行ったことが依頼者の女性をどれだけ傷つけたのか自覚されたようで、最終的には相手方男性が弁護士に依頼することもなく、慰謝料として150万円を支払われました。
今回のケースはそもそも婚約の成立が認められるかどうかが難しい事例でした。婚約は、恋愛関係にある男女間の口約束だけでは認められないことが多く、結納が交わされたりお互いの両親に挨拶に訪れたりという客観的な事情が無ければ、婚約の成立を立証することは困難です。しかし、粘り強く証拠を収集し相手方男性とお話を重ねていくうちに、新たな事実を発見することができ、またご依頼者の思いを相手方男性側に伝えることができた結果、訴訟に至ることもなく示談交渉により早期に解決することができました。